-声-






「元譲、声を殺すな」



曹操は耳元で囁いた。
自分が下に組み敷いている男はいつも情事の度に歯を食いしばり声を殺す。
武人である己が女のように抱かれ嬌声を上げるのを良しとしないのだろう
曹操が何度言っても頑なに口を開かない。

曹操としては、声を殺し快楽に耐える姿もなかなかそそられるが、愛しい夏侯惇の喘ぎを聞きたかった。
前に夏候惇に言ってみたら悪趣味だと怒鳴られたが、それは男としての浪漫というものだろう。

執着すると止まらない曹操はこうなったらどんなことをしても夏候惇を鳴かせてやるとやっきになった
いつもよりもしつこく愛撫したり、快楽をわざとはぐらかして焦らしたり。
しかしいくら曹操が手を尽くしても夏候惇は手の平で口を押さえてまで声を殺した。
きつく眉根を寄せ睫毛いっぱいに涙を溜めても一言も発しない。
ただ苦しそうな呼吸を繰り返すばかりだ。

そんなにも自分に素直になってはくれないのかと曹操は少し寂しくなった。



「こんなにも愛しておるのにのぅ・・・」



堪らず漏らした言葉に夏侯惇の体がピクリと跳ねる。

曹操はその一瞬を見逃さなかった。

耳元に唇を寄せ低く囁く。



「元譲・・・愛しておる」
「っあ・・・」



背筋を反らし小さく確かに聞こえた声。

曹操は耳朶に噛み付くように言葉を紡ぎながら腰を動かした。



「やっ・・やめ・・・ぁ・・」



何かの糸が切れたように夏侯惇の口からは切なげな喘ぎが漏れる。



「元譲・・・」
「ぁあっ・・孟・・と・・・く・・」



とうとう我慢できなくなった夏侯惇は曹操の首に腕を絡め名を何度も呼んだ。

そんな姿が愛しくて曹操はしっかりと抱きしめてやる、腹と腹に挟まれ擦れ
夏侯惇の雄は 透明な蜜をトロトロと絶え間なく溢れさせた。
それは尻たぶの間に流れ落ち、曹操が動くたびに結合部から卑猥な水音を響かせる。



「聞こえるか元譲・・・おなごの様に濡れておるぞ・・」
「ィ・・ヤだ、孟徳っ・・・んっ・ぁ・・」



夏侯惇の低く掠れる予想を遥かに超えた扇情的な喘ぎに曹操は我を忘れた。
腰を掴み荒々しく叩きつける。
悲鳴に近い喘ぎを上げ精を吐き出すと夏侯惇はあまりに激しいセックスに気を失ってしまう。

くてんと力なく横たわる夏候惇に苦笑する。



「元譲・・・・・・まったくお主はこっち方面は弱くて仕方ないな・・」



ゆっくりと、まだ達していない己の雄を抜き出し、夏候惇を抱きしめる。



「まぁそれ程ワシに感じておるのだと思えば喜びにもなるがな・・」



汗で顔に張り付いた髪を手で払ってやり曹操はクスクスと微笑んだ。







後日







「元譲が言葉責めに弱いとはワシとしたことが迂闊であった・・・」
「違うわっっ」



顔を真っ赤に染め夏候惇は怒鳴る。
そんな恥ずかしい性癖だと思われたら堪らんと必死だった。



「違うのか?ならばどうしてあの時突然声を我慢できなくなったのだ?」
「・・・・あ・・・あれは、お前が・・・・・突然・・・・・」



大きな体を小さくして夏侯惇は真っ赤になりながらボソボソと喋る。



「はぁ?聞こえんぞ元譲」



「だからっ・・・・・孟徳が・・・ぁ・・愛してるなんて・・言うからだ・・・・



段々と小さく消え入る様な言葉に曹操は微笑んだ。



「元譲、愛しておるぞ♪」
「孟徳・・・ってオイっ!」



尻を撫で回す手に気付き夏侯惇は睨みつけるが曹操は不適に笑みを返す。



「一度聞かれてしまえばもう気にならんだろう?遠慮しないで鳴けばよいぞ」
「ふざけるなぁぁっ!!」



怒鳴りつけ曹操の頭を拳骨で小突くと夏候惇はドカドカと部屋をあとにする



「ククク・・・愛い奴め。そういうところがワシを捕らえて離さぬと気付いておらぬのだろうな」



曹操は楽しげに痛む頭を撫でた。








あはは、初の100お題が18禁って。
好きっスねぇ添花も♪
「声」と聞いて瞬時に喘ぎ声と思う添花のエロさ加減が窺い知れます。
でもハードにはしてないし〜
ほんとは苛め尽くして声を漏らす元譲さんの予定だったんだけど
あんまり変態でもヤバイかなぁと・・・変態風味でもドンとこい!っていう方
いるなら本領発揮しますYO!ビバ変態曹操!